深まる秋の日、西新宿4丁目。ビルの谷間を歩くと、大都市の中心にもかかわらず、意外と静かな場所があることに気づかされます。一歩路地裏に足を踏み入れると、時間が少し遅れて流れるような感覚に捉えられます。
時刻は午後3時半。太陽はまだ高く、空には秋の深い青が広がっています。その空の下、一つのカーブミラーが目を引きます。普段は通行人や車の安全を守る役割を果たすこのミラーは、この日、都市の美しさを映し出していました。ビルの隙間から見える東京都庁、そしてその周りに広がる都市の風景。すべてが一つの絵画のように映し出されていました。
そしてその下、道端に南天の木が鮮やかに実をつけています。赤い実は、都市の灰色と青い空の間で、自然の息吹を感じさせてくれます。
この瞬間、都市と自然、現代と過去、それらが調和して共存していることを実感しました。西新宿の路地裏は、一見するとただの過ぎ去りゆく場所かもしれませんが、そこには季節の移ろいや都市の営みが織りなす物語があるのです。